23May
実は前回畳縁の記事を書いてから、実際に畳屋さんで余った畳縁をいただく機会に恵まれました。
手芸用としておしゃれな柄の畳縁が手芸店で扱われるようになりましたが、
実際に畳屋さんでは当然ながら畳用に畳縁を仕入れており、中途半端に余った畳縁は行き場所を無くしてしまいます。
捨てるのにもお金がかかるそうです。
ならば畳屋さんで余った畳縁を有効活用できるのは素敵なことですよね。
そのお手伝いを一緒にしてもらえないでしょうかということでお話をいただき、実際に畳屋さんで余ってしまった畳縁をいただくことができました。
それがこの紙袋いっぱいの畳縁!これが全て余り物だというのです。。私には宝の山です!
私には良く分からないのですが、きちんと銘柄らしきものと保証が付いています。
ちなみにこちらは「い草」のあまりもの。消臭の作用があるようです。
さてこれらの中から選び放題で、ペンケースを作ろうと思い、一つ一つ物色していきます。
と、ここで気付いたのですが、このような派手めな模様の畳縁は裏側がこのように複雑に糸が出ています。
ところがこのようなシンプルな柄の場合は表と裏がちょうど模様が逆になっているだけで、糸が出てしまっていることはありません。
これは作るものによってどちらの柄を使った方が良いか判断する材料になりますね。
前者の方は裏側の処理が必要ですし、後者でしたら一枚で作っても裏側の処理を考慮しなくて大丈夫そうです。
この畳縁は他のものより温かみのある生地で、裏側がどうなっているかというと、、
裏面に糸がぽろぽろと出ていることもなくとても厚手で、使い勝手が良さそうです。
では早速、何か作ってみようと思い、前回よりもしっかりとした、がま口タイプのペンケースを作ってみることにしました。
裏面は糸が出ていないものを選び、単純に1枚の畳縁を半分に折ってがま口を着ける、という作り方をとりました。
まず、端がぽろぽろしてしまっているのでここはざっくりと切り落とします。
このようにがま口をセットしていきます。
なお、畳縁の幅は8cmなので、幅が8cmのがま口を使用しました。また、丸いタイプのがま口だと畳縁をはめるための調整が必要になるので、角形のがま口を選びました。
がま口と畳縁を合体させる際には紙紐を口金と畳縁の間に挟んで、しっかりと押し込むことになります。
通常の手順では、口金にボンドを付けてこのまま畳縁と紙紐を押し込むのですが、以前教わった別の方法があるので今回はその方法で製作します。
こちらの方法の方が口金から畳縁が抜けにくくなり、強度が増すそうです。
その方法ですが、畳縁と紙紐をあらかじめ縫い付けておきます。そのため、紙紐と畳縁をあらかじめ半分に折って位置決めをします。
紙紐に針を通すのはなかなか力がいるのですが、かがり縫いの要領で紙紐と畳縁を巻き込むように縫い進みます。
そしてペンケースの本体部分は接着剤を使用してみます。これでしっかりくっつくようならこの簡単な方法で進めますし、強度が心配になるようなら後から縫うことにします。
くっつき方が心もとないので洗濯バサミで押さえておくことにします。
最後に畳縁をがま口にはめます。がま口製作に便利なアイテム2点を以前ユザワヤで購入したのでこちらを使用します。
こちらの商品です → ユザワヤ 差し込みペンチセット
まずは口金の内側に接着剤をつけます。外にはみ出さないように、外側までしっかりは接着剤をつけず、内側に接着剤を出して爪楊枝で外側までうっすらと延ばします。
このとき、なるべく、畳縁が紙紐を巻き込むような形で押し込んでいきます。
押し込むときに先ほどのがま口用差し込み器具を使って、畳縁をぎゅぎゅっと口金に押し込んでいきます。
こちらの商品がなくても、マイナスドライバーで押し込むというやり方で大丈夫です。
ただしそのときはドライバーで口金を傷つけないように気をつけましょう。
最後に口金の両端をがま口専用ペンチできつく絞めます。このペンチなら口金に触れる部分にゴムが付いているので、口金を傷つけることがなくて便利です。
通常のペンチしかない場合には布を挟んで使用すれば口金を傷つけずに済みます。
これくらい、長さが余分だったようです。
手元にあるペンケースの長さを測って、その長さに合わせたつもりだったのですが、大誤算でした。
このままではどうにも使いづらいので、いっそのこと折ってしまうことにしました。
ついでに、接着剤も不安なので折り込んだ分と合わせてペンケースの両端をブランケットステッチで縫っていきます。
調べてみたところ、ブランケットステッチは主にフェルト小物を作るときに使うときに使う縫い方のようで、私も子供の時フェルトでちょっとしたものを作るときによくこの方法で縫っていました。
これを通常の布(今回の場合畳縁ですが)に使うのか正しいかまではよくわからないのですが、ここでなみ縫いをするのも縫った外側が不自然になると思い、畳縁の端までが有効に使える今回の縫い方にしました。
2枚の畳縁を合わせた状態で手前から裏面までを刺します。そのとき回してきた元の糸に針を引っ掛けるようにします。
最後の玉留めをして畳縁の内側から、少し離れたところに針を出し、キワで糸を切ります。これで玉留めが見えづらくなります。
そしてこじつけですが、この折り返した部分はちょっとしたカードを入れるのに良いですね。
内側はこうなっています。紙紐が口金から出てしまっているのは明らかに出来が悪いので、うまく切って見栄えをよくしたいと思います。
ペンケースを開けたときにボールペンがこれぐらい顔を出す長さに調整できました。
そしてこの部分にはプリペイドカードやポイントカード、他には付箋紙などを入れておくのにもちょうどよいと思います。
ちなみに一般的なプリペイドカード(この写真ではスターバックスカード)を入れた場合、頭がこれくらい出ます。ちょうど良いサイズ感ですね。
若干行き当たりばったりなペンケース作りでしたが、前回とは違ってちゃんと口が閉じるペンケースを作ることができました。
反省点としては、やはり接着剤だけでは使用には心もとない感じでした。
また、形・強度的には今回のペンケースで問題はないのですが、やはり1枚で作ったものでは厚みに物足りなさが残ります。
今回は裏面の糸がささくれていないタイプの畳縁を使ったので裏面の処理を考えず1枚で作りましたが、次回は裏面の糸が目立つタイプの畳縁で、一旦畳縁を中表に縫ってから同様にペンケースを作ってみようと思います。
とにかく今回いただいた機会は本当にステキなご縁です。
まだまだオリジナル作品を考案するのには時間はかかりますが、現在畳屋さんで余ってしまって行き場を失っている畳縁が有効活用されるような良いアレンジ方法を見つけて、何かしらの貢献ができたらこんなに嬉しいことはないです。
まずは最近の畳縁ハンドメイドが流行っているこのタイミングで、実際には余って捨てられている畳縁があることを知っていただきたい、そしてそれをこのハンドメイドブームに乗せることができたら良いなぁと切に願います。
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1976年1月に生まれた40代の女性です。趣味は、カメラ、ハムスター、ハンドメイドです。
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